どうしても犬を飼いたかったので、近所にある愛知の比較的大きなペットショップに行ってみました。
店内には軽快な音楽が流れていて、照明も明るく、そこにいるだけで楽しい気分になりました。
ショーケースの中には可愛らしい子犬がたくさんいて、どれにしようか迷います。
ただ、少し気になったのは、ゲージの中にフンが散らばっていましたし、床にはあちこちにシミがあって、とても清潔とは言えない状況でした。
そんなところに目が行ってしまうと、先ほどまで愛らしく見えていた子犬たちも、心なしか元気がないように感じてしまいます。
こんな気持ちではとても生き物を飼うことはできないので、私は一旦そこを出て違うペットショップを探してみることにしました。
田舎だということもあって、なかなか次の店舗が見つからなかったのですが、車で一時間ほどさまよってたどり着いたのは、先ほどと違って小さなペットショップで、外観はお世辞にもきれいとは言いがたい状況でした。
他のところに行っても良かったのですが、何せここに来るまでにかなりの時間を使っていますから、とりあえず中を覗いてみることにしました。
するとそこには五十歳ぐらいの男性がいました。
店の名前が書かれたエプロンをかけているので、かろうじて店員さんなのだとわかりましたが、いらっしゃいませも言ってくれないので、危うくお客さんと間違えるところでした。
この時点ですでにここで買うのはやめようという気になっていたのですが、前々から飼いたいと検討していた犬種を見つけてしまったのです。
ゲージの中にいる子犬は私を見つけると、尻尾を振って駆け寄ってきてくれたので、この姿を見ただけでもう虜になってしまいました。
「その子が欲しいの?」と背後から声をかけられたので振り返ると、先ほどの無愛想な店員さんが立っていました。
私がぎこちなく頷くと、その店員さんは「自宅の床はどうなってるの?」と聞きます。
私がフローリングですと答えると、この犬種は股関節を傷めやすいからカーペットを敷いてやって欲しい、耳の中にゴミがたまりやすいのでこまめに掃除してやること、目ヤニは毎日取るなどとても詳しくアドバイスをくれました。
数分前までただの怖いおじさんだと感じていましたが、私の中ではもう「頼りになる専門家」です。
結局、こちらのペットショップで購入することにしたのですが、それ以降もいろいろと相談に乗ってもらうことができ、快適に過ごすことができています。
最終更新日 2025年5月20日

